認知症対策
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成年後見制度とは?
精神上の障害により、判断能力がない方や不十分な方(認知症の高齢者、知的障害者、精神障害者 等)を法的に守り、支える制度です。
成年後見制度には、【法定後見制度】 と 【任意見制度】の2種類があり、法定後見制度には、①後見 ②保佐 ③補助 の3つの類型があります。
法定後見制度
(法律による後見の制度)
- 管理や処分には相当の理由が必要であり、居住用財産等については家庭裁判所の許可が必要となる。
- 遺産分割協議は、法定相続分を確保した形で協議をする必要がある。
- 遺産分割協議は、法定相続分しか認められません。
①「後見」
判断能力が 全くない 場合に、後見開始の審判を家庭裁判所が行い、成年後見人を選任。
②「保佐」
判断能力が 特に不十分 な場合に、保佐開始の審判を家庭裁判所が行い、保佐人を選任。
③「補助」
判断能力が 不十分 な場合に、補助開始の審判を家庭裁判所が行い、補助人を選任。
任意後見制度
(契約による後見の制度)
- ご本人が、まだ十分な判断能力がある時に、判断能力が低下した時に備えて、公正証書による任意後見契約を締結し、自分が信頼をおける人間を任意後見人として選んでおける制度のこと。
- 判断能力が低下した際に、任意後見監督人を家庭裁判所が選任した時から効力が生じます。
- 判断能力がある時点での財産管理の「委任契約」や、定期的な訪問相談のための「見守り契約」、亡くなられた時のための「死後事務委任契約」等をあわせて契約するケースもあります。
後見申し立ての動機トップ5
※平成30年の最高裁判所公表の統計データ
第1位
預貯金等の管理・解約
(2万9477件)
認知症となっている親の預貯金の管理をしたい、不慮の事故で意識不明になった家族の預貯金から医療費を捻出したいといった理由が一番多いと思われます。定期預金の解約などは、後見人選任が求められる可能性が高い状況です。
第2位
身上監護
(1万3312件)
財産管理以外の身上監護のため、必要な場合も多々あります。
第3位
介護保険契約
(7007件)
介護保険のサービスを使用したい際や、介護施設に入居したい際にも、後見人が必要と言われることがよくあります。
第4位
不動産の処分
(6532件)
不動産の処分をする際には、判断能力が低下していると、後見人が必要となります。
第5位
相続手続き
(6142件)
遺産分割協議をしたいが、親が認知症で判断能力がないと、相続手続きが出来ません。
法定後見・任意後見の比較
判断能力の低下後は法定後見 | 元気なうちに任意後見 | |
---|---|---|
方法 | 家庭裁判所へ申立 | 元気な時 → 公正証書で契約 低下後 → 家庭裁判所へ申立 |
後見人は誰? | 財産があると後見人は弁護士又は司法書士等(家庭裁判所が選任する) |
後見人になってもらいたい方(希望どおり!) → 多くのケースでは子供 |
費用 | 家庭裁判所が財産額や収支を確認して決定 概算 月1万円~3万円 + その他、付加報酬もあり |
無報酬でもよし! 月5万円でも0円でも自由 |
見積もり例 | 財産状況と業務内容により決定されるが、年額約15万円~30万円 | (例)月1.5万×12=18万円 ※任意後見監督人の報酬は必要 |
申立書には、後見人の候補者を記載する欄があります。つまり、本人の子供等を候補者とすることが可能。
しかし、あくまでも、家庭裁判所が後見人を選任する権限あり。
実際は、
①財産が多い方
②子供等が、親である本人の財産の使い込みや不適切な管理をしている場合
③成年後見についての推定相続人の全員の同意が得られず、
将来本人が亡くなり相続が発生した際、紛争が予想される場合、弁護士や司法書士が選任される。
任意後見開始までの流れ
事前に本人と任意後見受任者が
準備をします
認知症等で本人の判断力が
不十分となった場合
任意後見スタート!
※任意後見監督人が監督します
任意後見契約を作成する流れ
1回目のチェック
必要書類の打ち合わせをいたします。
2回目のチェック
色々な事情により、公証人役場に伺えない場合は、出張をしていただけるかを公証人に確認します。
手続き終了後、「認証手数料」を公証人にお支払い下さい。
【原本】は公証人役場が保管。
【正本】を委任者(本人)又は、受任者(任せたい方)が保管します。
法定後見制度の利用の流れ
申立人となる方は4親等内の親族等、要件があります。
保佐、補助の制度を利用する場合は本人の同意が必要です。病院の診断書や財産状況、収支状況の確認、介護事業者の本人情報シート作成等が必要です。
必要に応じて本人と面談いたします。面談が困難な場合や不要な場合は省略できます。
当事務所が作成する必要な書類の押印や聴き取りをします。
家庭裁判所より簡単な聴き取りを司法書士法人アシストが対応します。
家庭裁判所の調査員が申立人や本人と申立て内容についての面談をします。
家庭裁判所からの指示で病院の診断を求める鑑定手続きを行います。