土地の登記

Land Registration

01.土地地目変更登記

  • 「畑」から「宅地」などに「現況変更」したとき
  • 「宅地」として利用している土地を建物を駐車場にした際、現況の地目と登記上の地目を一致させるとき

土地の状況や利用目的を変更する

その土地の現況や利用目的に変更があった場合に登記記録(登記簿)の内容も同じように変更する手続きのことを、土地地目変更登記といいます。
例えば、畑として利用している土地に建物を新築することを予定している場合や宅地として利用している土地の建物を取り壊して駐車場にした場合など土地地目変更登記が必要になります。

土地の登記事項の中に「地目」があります。
地目は、その土地の主たる利用目的に応じて右記の23種類に分類されています。
不動産登記法上でも、地目を定める場合には土地の現況及び利用状況に重点を置くこととされています。
建物が建っている土地は「宅地」、駐車場は「雑種地」といった具合に、土地の利用状況に合わせて地目は決まります。

ちなみに、不動産の取引に使われる物件概要書などでも、登記簿地目と現況地目の欄がそれぞれ作られているのが通常です。また、土地の価格評価や課税についても、あくまでも現況により判断されます。

地目の種類

田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地

土地一部地目変更・分筆登記

1筆の土地には1個の地目しか定めることなできないので、「土地一部地目変更・分筆登記」という1件の申請で登記しなければいけません。土地地目変更の登記だけする場合には測量作業は必要ありませんが、同時に土地分筆登記が必要な場合は境界確定測量が必要になります。

農地転用の届出・許可について

農地を農地以外の土地に変更したり、売買するときなどは、農地法という別の法律があるので、「農業委員会または都道府県」にたいして必要になります。 農地法でいう「農地」は、あくまでも「現況」で判断され、登記簿上の地目とは関係ありません。登記簿上「雑種地」となっていても、現況は「田または畑」となり、売ったりする場合には農地法上の許可申請が必要になることがあります。

02.土地合筆登記

    • 所有している隣接した数筆の土地を一筆にまとめたいとき
    • 遺産相続の前提として合筆するとき

分割された土地の登記簿を、1つにまとめる

複数の土地を合併して登記記録上1筆の土地にする登記のことを土地合筆登記といいます。
土地合筆登記においては測量業務を伴うことはありません。
所有者の意思に基づいて行う登記であるため、所有者にはこの登記をする申請義務はございません。
合筆するかどうかは所有者の自由であり、数筆の土地を一体として利用していたとしても、所有者に合併する意思がなければ、土地合筆登記を申請する必要はありません。

03.土地地積更正登記

  • 分筆の登記をする際に、分筆前の土地の地積が相当でない場合
  • 売買などで面積確定を求められた場合

実測面積と登記上の面積を一致させる

土地地積更正登記とは、錯誤(間違い)などにより、実際の土地の面積が登記記録(登記簿)上の面積と違っている場合に、現況の面積と登記記録(登記簿)上の面積を合致させる登記のことをいいます。

登記簿上の面積が誤っている理由は様々ですが、多くの原因は、古い時代においての測量精度の悪さ等が原因で、登記簿に記録されている面積と実測面積との間に差が生じているケースが多いです。こういった誤差(不都合)を、地積更正登記によって解消することができます。

正しい面積を申請するためには

土地境界確定測量を実施した後、正しい面積を算出して境界標の設置を行います。
土地地積更正登記は、土地の現況と登記簿上の土地の表示とが合致していない場合、登記手続き上の錯誤などにより、現況に合わせた表示に「更正」する登記であり、この登記自体には、申請義務について定めた規定もないため、登記申請義務は課されていません。

04.土地分筆登記

  • 土地の一部を分割して売却したいとき
  • 遺産相続が発生して相続人同士(兄弟・姉妹)で土地を分けたいとき
  • 土地の一部を抵当に入れて融資を受けたいとき
  • 土地の一部が別地目に変更したとき
  • 共有名義の土地を分割して単有名義にしたい時など、一筆の土地を二筆以上土地に分割する際

1つの土地を、分割する手続き

土地分筆登記とは、登記記録上1筆の土地を2筆以上の土地に分割する登記のことをいいます。

一筆の土地の一部を分割して売却したい時や、相続を分けたい時土地を分割しなければならない場合は、土地分筆登記をしなければなりません。
土地を分筆する場合には、まず土地境界確定測量を行い、分筆ラインに境界標を設置後、登記所(法務局)に登記申請を行います。
土地分筆登記は所有者の意思に基づいてなされる登記なので、申請義務はございません。